「ビットコイン取引シェア 日本4割」の記事に思うこと

日経新聞の1面トップ記事「ビットコイン、日本の取引シェア4割(12月12日)」について、香港のファイナンシャルアドバイザーが残念に思うこと。 

日本人の個人マネーがビットコインに

ファイナンシャルアドバイザーの柳田です。先日の日経新聞の一面のトップ記事がビットコインの10~11月の全世界の取引の4割を日本円が占めたというものでした。「ビットコイン、日本の取引シェア4割(12月12日)」 2016年は中国元が世界シェアの9割を占めていたというのに、中国当局が今年から規制を強めたことから、代わって主役に躍り出たのが日本だということです。日本の個人投資家にとってビットコインは決算手段ではなく、値上がりを求める投機マネーが全体の9割超を占めているそうです。記事の中では都内に住む38歳の男性会社員がボーナスも投入して800万円分を買った例が取り上げられており、一般のサラリーマンが手元にある余剰資金を利用してビットコインに手を出している様子がうかがえます。一般的に、日本人は投資に対し慎重で、今年はタンス預金用の家庭用金庫の売れ行きが伸び、日銀の調査で一般の現金・預金の総額が過去最高になるなどのニュースもありましたが、その一方で仮想通貨など、非常に不安定で投資家保護の仕組みもないような取引に手を出す日本人が多いのは不思議なような気がします。

ネットが誘う投機マネー

これは、普通の人が安心して資産運用をする環境がないことが原因なのではないでしょうか。個人消費がなかなか伸びないとは言え景気は回復しており、長年勤めて貯めたお金や、ボーナスでもらったお金を運用して少しでも不労所得を手に入れたいと思っている人たちはたくさんいます。そのような人たちが、海外のようにファイナンシャルアドバイザーに相談するという環境もありませんし、銀行や証券会社、保険会社は手数料が高い、勧誘に積極的などで敷居が高く相談しづらいため、ひとりでネットで得た情報をもとに試してみたくなるのが仮想通貨ではないでしょうか。ネットで情報を集める際には、自分が見たい情報がピンポイントで信憑性とは関係なくいくらでも得られるために、頭に入る情報が偏りがちで、客観的な判断がしにくいものです。そのために、投機的な投資に飛び込みやすいのではないでしょうか。

「資産運用」と「投機」の違い

私たちがお客様によく説明するのは「資産運用」と「投機」の違いです。「資産運用」は①長期(5年以上)で、②資産を分散し、③レバレッジなしで投資して資産を安定的に増やすものですが、「投機」とはその逆で、①短期(5年以内)で、②資産を集中して、時に③レバレッジありで投資をし、運が良ければ簡単に儲かるというものです。ただしその逆もあり、運が悪ければあっという間に大金を失うこともあります。投資は長期になればなるほど、リスクはどんどん下がり、リターンはどんどん安定していきます。たとえば、過去の株式市場を振り返ると、平均的なリターンは年平均7%で、リターンがマイナスになる可能性は投資期間が長ければ長くなるほど減っていき、20年以上の投資ではリターンは必ずプラスになっています。これは多くの調査結果から立証されています。(もちろん過去のデータは未来を予測するものではないという大前提はありますが。)ですから、将来的に不労所得を増やしたいのなら、なるべく早く、長く、継続して「資産運用」すればよいのです。

ビットコイン長者を狙うよりも正しい運用で不労所得を

前述の日経の記事によると、日本の個人マネー流入により12月に1ビットコインの価格は年初の約17倍にまで高騰したとのこと。最近はビットコイン取引で数億円を手に入れたサラリーマンの記事なども目にしますが、こういったことは単に運が良かったにすぎず、狙って真似しようとするのは危険です。仮想通貨の取引を楽しむのであれば、遊びの範囲でするのがよいでしょう。ビットコインにどんどん流れ込む投機マネーがもっと「資産運用」に活用されて、普通の人がまじめに働きながらも、同時並行で不労所得を手に入れて資産形成をしていけるような環境が整えばいいのになぁと思ったのでした。

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