投資をする前に香港についてもっと知ろう(基本編)

「国際金融センター」として世界に名立たる香港。なぜ中国大陸の南の小さな漁港だった香港が国際金融センターとしての地位を築けたのか。背景にあるのは1800年代にイギリス植民地となった歴史。中国に返還されて20年がたつ香港は、中国とはどう違うのか。「香港」という都市について基本のきをご紹介。

香港というと皆さん、何をイメージしますか?美味しい中華料理、カンフー、夜景などなど、香港に対する印象は人それぞれだと思いますが、香港は「国際金融センター」として世界でも名立たる都市のひとつです。多くの外国人投資家が香港で投資をしているのも、当社が香港に設立されたのも、金融センターとして香港の優位性があるためです。

資産運用で勉強するべきことはいくつかありますが、「おカネ」を運用する国、場所について良く知っておくことはとても大切です。なぜ中国大陸の南の小さな漁港だった香港が国際金融センターとしての地位を築けたのか、「香港」という都市についてまずは基本の背景からご紹介します。

香港の基本情報

正式名称:中華人民共和国香港特別行政区(Hong Kong Special Administrative Region)

面積:1,104㎢ (東京都の面積の約半分)土地が狭く、天然資源が少ないので、金融・貿易・観光が産業の中心です。

人口:737万人(東京都の人口 1,365万人)(2016年末時点)人口は東京の半分程ですが、億万長者の人口密度が世界一高いことで知られています。

言語:広東語と英語のバイリンガル。銀行・保険会社のサービスもすべて英語で受けられます。

通貨:香港ドル (日本円で約14円 2017年4月16日現在)為替レートを戦略的に米ドルと連動させています。

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税金:消費税なし、相続税なし、キャピタルゲイン税なし、アルコール度数30%以下の酒類に酒税なし

平均寿命:女性 87.32 男性 81.24 (2015年時点で男女ともに世界一です!生命力は経済力の源か?)

 

香港の歴史

「香港」という地名の由来はいろいろあるが、香料の原料である香木の輸入港であったとか、香港に上陸した英国軍が原住民に「この島の名は?」回答が「ホンコン」と言われたとか。

1839年アヘン戦争勃発。1842年南京条約により香港島がイギリスの植民地へ。1860年北京条約により九龍半島もイギリスに割譲。さらに1898年には現在の新界(九龍半島と中国深圳の間)を租借。租借期間は99年間とされ、その期限は1997年6月30日とされた。

イギリス統治下では資本主義のもと、インフラ整備や法制度が施され、貿易中継港として経済発展を遂げました。

1865年にはかの有名なHSBC(香港上海銀行)が香港で創設されたことも特筆すべきことです。

1970年代になると新界の租借期限が迫り、イギリスが中国へ租借期限の延長を求めたが中国側がこれを拒否。1984年中英共同声明が発表され、1997年7月1日に香港の主権がイギリスより中国へ返還されました。

以上が簡単な歴史ですが、イギリスの植民地として比較的自由な環境でヒトとモノが流通し、経済発展したことが、香港の国際金融センターとしての礎となりました。第二次世界大戦後に中国で内戦が起き、共産主義政権が樹立した際に多くの移民が香港に集まったことも香港の経済発展を後押ししました。

 

一国二制度

これは一つの国の中で二つの制度(資本主義と社会主義)が併存することを指します。香港は中国へ返還後も2047年までの50年間はイギリス時代の資本主義体制を保持することが香港基本法(香港の憲法にあたります)に明文化されています。

世界広しといえども、一つの国で二つの制度があるのは非常に高度な試みと言われています。香港は軍事、外交を除き、高度な自治権が認められています。

 

中国とは違うこと

香港と中国は政治体制や経済体制、貿易、通信規制、言論など異なることはたくさんあります。私たちが日々香港で過ごしていると、ここが中国の一部であるということを忘れてしまうことさえあります。分かりやすい例をいくつかご紹介しましょう。

(オリンピック)

中国代表と香港代表は異なります。中国の代表は「中国」。香港の代表の表記は「中国香港」となっています。

(国境)

よく香港と中国は自由に行き来ができますか?との質問がありますが、答えはNOです。香港と中国の往来にはパスポートが必要です。国境で出入国に関しては諸外国と同様に厳重な審査が行われます。

(通貨)

すなわち使用するお金も異なります。香港では「香港ドル」、中国では「中国人民元」。以前は香港ドルの方が価値が高かったのですが、経済の発展により最近では中国人民元の方が相対的に価値が高いことが多いです。(余談ですが、私が香港へ初めて来た2007年頃は中国本土では香港ドルでの支払いが歓迎されていました。今では全くその逆になってしまいました)

(車)

中国は左ハンドルですが、香港は右ハンドルです。香港では左ハンドルの車は禁止されています。

(通信)

FacebookやLINEなどでもその違いを感じることができます。国境を歩いて渡った途端、前述のSNSは中国では使えなくなります。香港では何不自由なく使用することができます。香港ではWEBに対する規制もありません。

(現金の持込持出)

中国では人民元および外国通貨の持込、持出に非常に厳しい制限があります。一方香港はまったくこの制限がなく、申告なしで持込、持出が無制限に可能です。

 

今年は香港が中国に返還されて20年目にあたります。2014年には、香港での自由選挙を求めた学生がデモを繰り広げた雨傘運動を政府が力で制圧したことがニュースになるなど、香港で中国の政治的影響力が強まっているとの懸念があります。中国の影響力が強まる香港で投資をしても大丈夫かと心配されるお客さまもいますが、私は個人的には心配ないと思っています。近年鈍化しているとはいえ、今も高い経済成長率を誇り世界第二位の経済大国として影響力を増している中国が、香港で個人投資家の権利を制限していくというのは考えにくいのではないでしょうか。経済的には、香港の金融センターとしての成功を維持して世界的競争力の強化を狙っていくというのが現実的な見方ではないでしょうか。

香港の金融制度の優れた点などについては、また別の記事でご紹介していきます。

 

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