投資をする前に香港についてもっと知ろう(税金編)

世界中の投資家を引き付ける香港の最大の魅力は税金の安さ。香港と日本の税制を簡単に比較することで金融市場としての香港がいかに恵まれているかを理解

今回は香港の最大の特徴と言っても過言ではない「税金」について日本との比較をしてみます。

投資に関係する税金

株式などに対する税金

キャピタルゲイン税と言われておりますが、株式投資などで儲かった金額に対して掛かる税金です。日本では20.315%ですが、香港では0%です。

例えば株式で100万円儲かったとすると日本では約20万円が税金として支払わなければいけませんが、香港では株式の売却益に対する税金は0円です。つまり株式や債券投資などで儲かった利益は全て投資者がもらえます。もちろん生命保険商品に対する満期金や解約返戻金に対する税金も香港では一切掛かりません。

配当金に対する税金

この税金は銀行口座での利息や株式に対する配当金にあたります。こちらもやはり日本では20.315%が配当に対して掛かりますが、香港は0%です。

世界的にみても現在はどこも非常に低金利なので銀行口座通帳を見ても税金が源泉徴収されているとは気付きにくいかもしれませんが、実は日本では銀行の普通預金の利息などに対し20.315%の税金が自動的に差し引かれて入金されているのです。

生活に関する税金

消費税

日本では8%から10%へ引き上げられましたが、香港では消費税は一切ありません。

例えばコンビニなどで20香港ドルと表示されている商品は20香港ドルのみを出せば購入できます。これは意外と気付きにくいかもしれませんが、香港へお越しの際には是非とも注意してみてください。いかに消費税が無いことがありがたいのかが実感できます。ちなみにシンガポールでもほとんどの消費財などには付加価値税(消費税)7%が掛かります。

個人の所得税

日本では所得に応じて5%~45%(約半分!)の課税がされる累進課税制度となっています。香港では2%~17%の累進課税もしくは15%一律で計算をし、低い方を税金として支払う仕組みです。

日本では会社員の方などはほとんどが源泉徴収制度でお給料前に予定の税金を引かれてしまうので「税金を払っている!」という感覚が無いかと思いますが、ここ香港では毎年夏頃に個々人で税金の申告をしなくてはならず、納税額には非常に敏感になります。納税額を知る事が国に対する政治や経済などへの関心や態度に少なからず影響しているような気もします。ちなみに日本では当たり前のようにセットで課される住民税も香港には存在さえしません。

相続税

日本では取得金額に対し10%~55%(半分以上!)が掛かります。香港は2006年にこの相続税は撤廃されまして現在では一切掛かりません。つまり相続税は0%です。

日本ではこの相続税に関する控除額がつい最近引き下がり、都内で持ち家を持っている家庭ではほとんどが該当してしまいます。

贈与税

日本ではたとえ夫婦間、親子間であっても控除などはありますが、基本的にはお金の授受があると贈与税が掛かります。日本では10%~55%(ここでも最大半分以上!)が税金として納めなければいけません。一方、香港ではやはりこの贈与税も0%です。

香港ではこの贈与税が無い事もあり、例えばHSBCや中国銀行(香港)などの口座では夫婦・兄弟間の「共同名義口座」が実現できるのかと思います。日本ではたとえ夫婦間でも贈与税が掛かるとなれば銀行の共同名義口座はできないですものね。

その他の税金

法人関係で関係のある法人税に関しても香港では一律に16.5%と日本よりは相当低くなっています。法人税の低さも世界中の企業にとっては香港にアジア統括本部を置く理由の一つになるでしょう。また、2018年3月には二段階の税率措置が適用され、利益のうち200万香港ドルまでは法人税が8.5%となりました。

一方、香港が日本よりも高い税金と思われるのはタバコ、自動車関連。つまり、嗜好品ぜいたく品と呼ばれるものに対して香港は日本よりも相対的に税金は高い傾向にあります。

私もお酒が大好きなのですが、酒税に関してはビールやワインなど度数30度未満のお酒に関しては税金が掛かりません。ビールは非常に安く、為替レートにもよりますが日本のビールが日本よりも安いなんて事もありました。

ちなみに海外旅行では欠かせない免税店でのお買い物。香港への「たばこの免税範囲」は紙巻たばこ19本まで。つまり個包装1箱以上(1カートンではありません)には税金が掛かることに十分注意が必要です。(紙巻たばこ20本以降1本につき1.906香港ドルが課税されます)

香港と同じく低税率で知られるシンガポールについても2017年9月時点での税金を下記にまとめてみました。またシンガポールでは酒税も意外と高く、香港のように「30%以下は酒税ゼロ」っていうような事はないようです。ちなみにシンガポールは夜10:30~朝7時まではコンビニなどでお酒を買うこともできませんのでご注意ください。

 日本香港シンガポール
キャピタルゲイン20.31500
配当に関する税20.31500
消費税1007
個人の所得税5-452-170-22
相続税10-5500
贈与税10-5500

こうした比較からも、香港が金融市場として税制面でいかに恵まれているかがおわかりいただけたかと思います。

関連ブログ:投資をする前に香港についてもっと知ろう(基本編)

関連ブログ:国際金融センターってどんな街?金融の街、香港に問う

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