資産運用業界の見取り図そしてIFAの役割

IFAは資産運用業界の中でどういう立ち位置、 IFAの他のプレイヤーとの違い、そしてIFAたるものの矜持について。

資産運用は片手間が理想

「貯蓄から投資へ」という流れが多少なり形成されている中で、「債券って何だろう」「ポートフォリオって何だろう」とお考えになった方が少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。一方で、会社経営が楽しかったり、ゴルフに没頭したり、ワインを飲みふけったり、気付けば資産運用から遠のくようなことをしている人が多いのも事実です。

人間ですから当然です。だから、私自身は「資産運用はとても大事です、でも資産運用に没頭することはしないで欲しい」と思っています。お客様にもそういうスタンスでいていただきたいです。FX取引なんて始めた日には、ずっと為替チャートのことが気になって仕方なくて寝れなかった、気づいたら1週間ずっとビットコインのことしか考えていなかったなんてことはありませんでしたか。「損はしたけど経験さ、チャートを見ているのもなかなか楽しかったよ」というのはギャンブルとそんなに変わりません。趣味の時間、家族との時間をもっと大事になさってください。資産運用は片手間でいいのです。

私自身は仕事として金融、もっと言えば投資の世界に携わる、という道を選んできましたので、チャート見るの好きですけど。もちろん、お客様と投資の話で盛り上がれたらそれもそれで嬉しいです。

IFAの対象とする顧客セグメント

私の知る限り、「色々なIFA」がいます。人間なので性格的なものもそうですし、どういったお客様と関わっているか、どういった商品に強みがあるか、等が違っています。ここで、IFAに限らず資産運用業界のプレイヤーがどういう客層を相手に仕事をしているかをみてみましょう。

ボストンコンサルティンググループ(BCG)が2019年6月に出したレポートによると、以下のとおり、独立ファイナンシャル・アドバイザー(IFA)の顧客セグメント幅広い層をカバーしていることがわかります。

お客様によって、コツコツ生活費をやりくりしながら資産形成を目指すのか、あるいは資産承継も視野に入れながらチャリティーへの資金を捻出したいのかが違うため、決して十把ひとからげに話ができるわけではありません。ご自身に合ったIFAにリーチする必要があります。

私の今の顧客セグメントはというと、USD500,000からUSD5,000,000、プライベートバンクがサービスを提供する層と同じです。ただ、昔から今の顧客セグメントだったわけではなく、アドバイザーの人数も増え、提供できるサービスの質も高くなったことが理由です。もちろん長い付き合いのお客様とも、関係を続けていくことが私たちの理想です。私自身はまだ入社して日が浅いですが、総合的な運用プラン、ポートフォリオのご提案ないし維持メンテを中心に、他のアドバイザーとも連携しながら、より良いサービスを提供できるよう務めてまいります。

IFAは代理店なのか、営業なのか

私も興味本位で海外投資やIFAについて書かれたブログ等を読むことがあるので、思ったことをいくつか紹介します。

ポイント1 IFAは代理店ではない?!

他社が完全にそうだと言えるわけではないのですが、一般にIFAは海外保険会社の代理店をしているわけではありません。そもそも”独立系”フィナンシャルアドバイザーなので、その保険会社、ないし保険商品をお客様に勧めることにインセンティブがあるのは理想ではありません。つまり、

「保険会社の代わりに保険を売るセールスマン」ではなく、

「お客様の代わりに市場から商品を探してくる専門家」

であるべきです。

同じIFAという言葉を使っていますが、日本のIFA業界は投信を販売するにしても、提携する証券会社から報酬を受け取っているケースがほとんどと聞いています。

もう少し細かい話をすると、香港の保険業界において、資格を取得した人であれば当然知っている、法律的な意味でのエージェント(agent)には2種類のタイプがあります。

・Insurance Agent

・Insurance Broker

です。前者は保険会社の代理をする人、後者はお客様の代理をする人です。「何が違うの?」と思われるかもしれませんが、お客様から分かりやすいとすれば、エージェント費用の出所、つまりインセンティブについて聞くのがシンプルでしょう。

保険の契約数に紐づいてIFAに保険会社から費用が出ていれば前者、保険を契約したときに仲介手数料をお客様が支払った場合は後者です。例えば、日本でS友不動産販売を使って不動産売買をするときの仲介手数料は後者です。多少グループ会社を優遇することはあるかもしれませんが、不動産売買において、不動産屋は基本的にどこの不動産でも扱ってくれますよね。

当社経由でInvestment-Linked Insuranceをご契約いただいた場合、ポートフォリオ管理フィーは運用資金に対し1%いただきますが、これはお客様からいただく費用であって、保険会社から受け取るわけではありません。代理店云々以前に、自分の会社の売上のため、証券売買を繰り返す、といったこともかつての証券会社ではあったと聞いていますが、当社は運用資金に対してフィーをいただきますので、売買を繰り返しても一円にもなりませんし、むしろお客様の運用資金が減った場合は、当社のフィーも減りますので、頻繁な売買を勧めることもありません。長期的に安定した運用を好まれるお客様には向いています。

既にお気づきかもしれませんが、実はお客様から費用をいただく後者の方が、費用がお客様の目に見える分、高い費用を取られているように感じるのも事実です。しかし、どのような業者もタダでは仕事をしませんから、目に見えて取られていないということはどこかで費用が発生していることを意味しているに過ぎないのです。

あとは、ひょっとしたら”IFAの”代理店だと名乗る人に出会うかもしれません。IFAの代わりにお客様を探す立場の人がいるのだとすれば、IFAの代理店だというのは言葉の意味としては間違っていません。ただし、その方も保険会社の代理店ではありませんし、そもそもIFAは代理店ではなかったのに、お客様と話している、その代理店の方は営業をしている、つまりお客様の隣に座っている存在ではなく、対面して座っています。そんな状態になっていないか、はチェックが必要です。なお、当社は代理店というのを持っていません。代理店というのはパッケージ化された商品を売るのに長けているので、そもそもアドバイザー一人ひとりが顧客との関係を大事にしている当社には不向きです。

ポイント2 IFAは営業ではない?!

もっと正確に言えば、IFAは営業をしようと思えばできてしまうので、そういう仕事だと思っている人が多い気がします。また、IFAとして活動されている人の多くが実は証券会社での営業経験があるので、その当時の付き合い、ないし働き方を継続されている方が多いというのも原因の一つかもしれません。もちろん、ノルマのない営業の方がずっとお客様の目線に立てるだろうというのは合っているのですが、理想の形はやはりお客様の隣に座っていることだと思います。

私自身の話をすると、「医者みたいな存在でいたい」と思っています。自分の運用資産の調子が悪かったらちょっと相談に行くとか、調子が悪くなくても定期的に見てもらっておくと安心だ、みたいな存在でありたいと思います。

医者の世界って実はすごくて、もちろん医師免許をクリアされてるので、レベルの高い人が多い、だからある程度の病気はどこの病院に行っても治るので、普段は気にせずに一番近い病院を選ぶことができる。AさんはX病院に行って骨折は1週間で治した。一方BさんはY病院に行ったので治すのに1ヶ月もかかった。でもAさんが行く病院、Bさんが行く病院はいつも同じだったので、どちらも治ったことには満足している。といった具合。

富裕層の世界だと、あるいは年齢を重ねると少しだけこの状況は違ってくるような気がします。例えば、Z病院にいるM医師は心臓病に詳しいというのが分かってくる、あるいは知り合いから情報がちゃんと入ってくる。だから、心臓病の疑いがあった時点で真っ先にM医師を訪ねていく。

もう一つ大事なのは、ご自身の状態(=全体ポートフォリオの状態)を正直に話してもらう必要があること、です。もちろん、お財布は分けた方が良いという発想もできますから、それぞれのお財布で部分最適を目指すことはできます。ただ、やはり心臓ペースメーカーをはめている事をお知らせいただかなかったり、過去の病歴を正確につかめなかったりする場合、知り得た内容でしか判断ができないため、不必要に保守的になってしまったりする可能性があります。結果的に全体最適を失っているケースです。

以上を踏まえて、「運用を委託する」だけでも色々なことを考えないといけないことに気づいていただけたのではないでしょうか。ポートフォリオや投資に関していいアドバイスが貰えるな、そうお客様に感じていただけるよう、私自身は運用に対する知識・経験を積むこと、そしてお客様の声に耳を傾けることにプライオリティを置いて仕事をしていきたいと思います。

関連ブログ:IFAは法人(中小企業)にとって資産運用での良きパートナーになり得るか

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