元本保証のある投資は可能なのか、その利回りは?

保守的な運用を目指す人へ。元本保証される商品とそうでない商品でどのくらい利回りの違いがあるか。元本保証にこだわりすぎると選択肢を狭めてしまうリスク。

今回は、保守的な運用においてよく話題に出る「元本保証」という切り口から見てみたいと思います。①絶対に元本保証でなければイヤだという人、②元本保証に”近い”運用でいいという人、③ 元本保証も気になるが、利回りも欲しいという人、の3パターンに大きく分けて考えます。

保守的に運用したい人の3つの類型

① 絶対に元本保証でなければイヤだという人【想定利回り0−2%】

いきなりがっかりする話かもしれませんが、このパターンの人はまずは利回りをあきらめることがスタート地点です。想定利回りは0−2%くらいでしょう。資金の安全性を優先する以上、リターンが犠牲になるのは当然と思ってください。ただし、その中でも取り得る選択肢を3つほど紹介します。

<定期預金>

定期預金は比較的長期で資金を利用できなくなるため、銀行はその分少しだけ高い利息を付与してくれます。預金を集めたい銀行ほど高い利息が付くので、よりより銀行を探し求めることになります。

ただし、高いといっても一時的なキャンペーンだったりするのは要注意です。特に外貨預金の高金利キャンペーンなどは、一見良さそうに見えますが、預ける時や解約するときにしっかり為替手数料を取られて逆に損するケースもあります。また、短期の定期預金なのに年率換算の利息表記をして利回りが高く見えるケースもあります。

<マネーマーケットファンド>

マネーマーケットファンドはファンドの一種ではありますが、現金に準ずる流動性を持つファンドとして認められたものです。残念ながら超低金利環境下の日本ではマネーマーケットファンドそのものの運営が立ち行かなくなったので、円建てでお目にかかることはありませんが、海外ではまだまだ健在ですし、むしろ一般的です。特に法人の資金であれば、預金以外の選択肢として有力です。ファンドの運営上、元本割れを起こさないようリスク管理、投資対象管理を徹底しなければならないので、投資家はほぼほぼ安心してお金を預けることができます。投資対象は短期の銀行債や国債がメインです。ただし、ファンドであることに変わりはないので売買手数料がかからないかだけは要注意です。また、ファンド名からはマネーマーケットファンドかどうかが見分けづらいこともあります。

<固定利付国債>

国債は一般的にはリスクフリー、つまりデフォルトのない債券ですから、元本保証と思っていて違和感はないかと思います。ただし、市場で取引されている場合、債券価格、すなわち時価は動きますから、タイミングによっては損して見えるときもあるかもしれません。満期を迎えれば合計=利息+元本が回収できますので利息分だけ儲けた形になります。金利がインフレに連動したり、市場金利に連動したりするものもありますので、”国債”と一括りに言っても同じではないのが要注意です。

② 元本保証に”近い”運用でいいという人【想定利回り2−4%】

元本保証とは言い切れませんが、それに近い運用をしているものは世の中にいくつかあります。「1円足りとも負けられない」という人以外は利回りも少なからずついてくる、これらの選択肢の方が現実的かもしれません。想定利回りは2−4%です。

<貯蓄型外貨保険>

保険商品の中には最低利回り2%保証といったタイプのものもあります。この場合は、死亡保障とは別に、解約返戻金ベースで資金が増えたかどうかを見ることができます。本来の機能は死亡保証なので、貯蓄という名目で契約する場合は解約手数料を考慮しておくことが重要です。利回り保証ではありますが、保険は比較的長期の契約であることがその根拠になっていますから、より注意が必要ですし、一定の縛りを受け入れる必要があるという意味で②に分類しました。

<公社債投資信託、短期債券ファンド>

比較的リスクの低い債券に投資するファンドです。先述したマネーマーケットファンドに比べ、少しだけ満期までの期間が長い債券、つまり、地方政府債や社債にも投資をします。多くのファンドは満期まで保有することを想定しているので、基本的に元本割れはしませんが、国債のようにリスクフリーではなく、一定の信用リスクを負うので、元本保証というべきではありません。債券ファンドでも、満期までの期間がより長い債券に投資をするファンドは、債券を満期まで持たない可能性があるので、元本は保証されないので要注意です。

③ 元本保証も気になるが、利回りも欲しいという人【想定利回り4−6%】

運用は保守的に、ただ利回りも欲しいという欲張りな人に対しては、債券で一定のリスクを取りましょう、ということになります。運用開始時点で概ねのリターンが決まってしまいますので、大きなリターンは望めませんが、想定利回り4ー6%です。ただ、債券といってもデリバティブ付きの仕組み債や転換社債などは元本割れしやすく、そもそも元本保証という文脈からかなり外れてしまうので、ここでは想定しません。

高利回り債券ポートフォリオ《プロ投資家向け》

より長期の債券、そして信用リスクを取りにいく戦略です。たとえ債券であっても、発行体がデフォルトし、かつその債券がデフォルトすれば元本割れを起こすことは要注意です。ただ、格付けなどを参考にしながら、よりデフォルトの確率の低いものを選択することはできます。

足元は市場の金利がそもそも低いので、利回りが欲しいとなると、例えば10年超の債券を選ばなければなりません。しかも、元本を気にされるのであれば基本的には満期保有です。タイミングが良ければ途中で上手く売ることもできるかもしれませんが当てにしてはいけません。

途中で売買はしない、そして利回りは固まってしまうので、こうした運用の場合は、⑴ 利息分をもらって年金暮らしをしたい人か、⑵ 当面資金は使う予定がないがただ預金しているだけよりはいいという人向けです。また、⑶ 運用を任せていたら数年経ってスッカラかんになっていたというリスクも避けられます。

現物債券は最低購入額が高めですし、個別証券のリスクをより理解していただく必要があるので、プロ投資家のみの取り扱いです。ご自身がプロ投資家扱いを受けられるかどうか、気になる方はご相談ください。

為替リスクはまた別に

以上、紹介したものは、米ドルやあるいは香港ドルを保有されている、主に海外在住の方々を想定しています。なぜなら、もし円資金の運用を検討される場合は、海外投資の場合、為替リスクを避けて通れないからです。為替リスクはもちろんプラスにもマイナスにも働きますが、それはまた異なるリスクとして認識が必要です。もちろん通貨オプションなどは組もうと思えば組めるかもしれませんが、一般の方向けではないですし、それ自体にコストがかかってしまうので、元本保証という文脈からこれも外れてしまいます。

元本保証という言葉に囚われすぎないことが大事

ここまで見てくると、ご自身にとって受け入れられるリスクとそうでないリスクがあったことにお気づきでしょうか。元本保証を得ることは逆に言えばそれ以上の利回りを得る可能性をギブアップすることと同じなので、そうすることが妥当なのかどうかは場合によります。ただし、「保守的に運用したい」と言い続けることは投資家のスタンスとして非常に重要なことです。金融関係者の立場からすると、元本保証といってしまうと、正確ではないし、さらには違法になるものもあるにはあります。厳しい金融規制下、そしてライセンスを付与されて活動する金融関係者は顧客保護のコンプライアンス意識が比較的高いのでそもそも「元本保証」という言葉は基本的に使いません。逆に、そうでない業者やライセンスのない業者は金融当局からのペナルティがないので、「元本保証」という分かりやすい魔法の言葉を使ってしまいます。投資においてはその利回りを生むプロセスにあなた自身が納得できるかどうかが重要であることを以前の投稿でもお話ししたとおりです。ご自身にあった資産運用をあり方を一緒に見つけていきましょう。

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