HSBCがフォンバンキングで音声認証をスタート

2017年3月、HSBC香港がテレフォンバンキングに音声認証を導入。実際に音声の登録を経験してその手軽さ、便利さを実感。

少し前のことですが、今年(2017年)の3月に香港のHSBCがフォンバンキングサービスを始めるという記事が地元の新聞South China Morning Post(SCMP)のサイトに掲載されていました(「HSBC to launch voice recognition in Hong Kong for phone banking」) 先日、実際にフォンバンキングで音声の登録を試す機会がありましたのでご報告します。

電話で文章を3回繰り返して、音声を登録

自分の持っているHSBCクレジットカードのICチップの仕様が変更になったとのことで新しいカードが郵送で届いたので、アクティベーション(有効化)をするために指定の電話番号に電話しました。英語の音声案内に従い、カード番号と事前に登録してある6桁のPhone Banking Pinを入力すると、思いがけず音声認証の登録に。今から聞こえる短い文章を3回繰り返してくださいとのこと。電話から聞こえてきたのは、かなり早口で”I will need your help with something.”という文章でした。途中でかみながらもなんとか3回言い終わり、無事に登録終了できました。普段英語に慣れていない日本人の方には、文章を理解するのとリピートして声にだすのは結構難しいのではないかなという印象でした。日本人が苦手なthの発音も複数ありますしね・・・。もちろん本人識別が目的ですから、発音が悪くても文法が間違っていても似たような音を出していれば大丈夫だと思います。なんらかの理由で、音声で認証ができない場合は、引き続きPhone Banking Pinも使用できるとのことなので安心です。まだ登録しただけなので、実際に声で本人だと認められるプロセスは経験していませんが、これで1つ暗証番号を忘れていいかと思うとちょっとほっとします。登録は簡単ですし、わずらわしいパスワードの設定がなくなり、利用者にとってはうれしいシステムです。

iPhoneに話しかけて買い物も

前述のSCMP紙によると、HSBC香港は音声認証の導入で他行にやや遅れてを取っていて、シティバンクでは、すでにアジアで100万人以上の顧客が音声認証を利用していて、イギリスのバークレイズ銀行やスペインのサンタンデール銀行では音声認証を本人確認だけではなく、携帯電話での支払いにも取り入れているとのことです。iPhoneに話しかけるだけでモノが買える時代になったのですね。音声認証だけでなく、その他のBiometrics(バイオメトリクス=生体認証)も金融業界で注目されています。SCMP氏によると、香港のスタンダードチャータード銀行では、昨年”Touch Login”という指紋認証のシステムを導入したようです。こちらは携帯電話ですでに当たり前の機能になっています。最近発表されたiPhone Xでは顔認証が話題になっていますが、将来は金融機関でも導入されるかもしれません。

ペイパーレス、サインレスへの期待

私たちAMGのアドバイザーは、業務の中でクライアントに投資や保険商品の販売もしているわけですが、現在の証券会社や保険会社のシステムでは、本人確認は写真付き身分証明書のコピーと署名に頼っており、契約やあらゆる手続きにおいて、かなりの数の書類に署名をしていただいているのが現状です。海を越えたお客様にはいちいち紙の書類に署名をいただくのが大変なこともよくあります。近い将来、すべての手続きが署名なしで、電話越しに声を聞くだけで済むようになったらいいなぁ、なんて思ったのでした。

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