次なる感染の波が金融市場に与える影響

感染の第2波、第3波が現実にやってくる中、金融市場にとってどのような影響があるか。リスク感覚を正常に保って投資活動に臨みたい

経済回復を待ち望んでおり、そして経済再開に向けて着々と進めてきた準備が水の泡になるような感染の波が一部の国で来ています。今回は、次なる感染の波が金融市場に与える影響について考えてみたいと思います。

感染拡大防止と経済活動の両立は極めて困難

第1波においては、感染拡大防止か経済活動継続かの選択において、感染拡大防止に重きが置かれた面がありました。

地方政府も中央政府も財源の限りを尽くして、経済を支えたものの、既に財源がない場合もあり、第2波あるいは第3波が来た場合の選択肢は経済活動の継続の一択しか残されていない、そんな印象を受けます。

withコロナとは言ってみたものの、、、

アフターコロナやらポストコロナやら叫ばれた時期もありましたが、現実には当面の間はwithコロナでしかありません。しかもwithコロナと言いながらも、コロナウィルスと共存するなんてことはできず、実質的にはコロナがじわじわと社会に浸透するのをただ耐えるしかない状況になりそうです。

景気見通し作成はより難易度が高い作業へ

第1波の感染を受けて、世界経済は成長見通しの大幅な修正を強いられました。米国では失業率が急上昇するなど、大変な経済的なインパクトだったこともあり、先々の景気見通し作りは難易度の高い作業となってしまっています。

実際、複数のシナリオを出して比較するところもあれば、どうしてもV字回復をして欲しいという願いも込めて数字作りが行われるところもあるようです。実際の景気見通しというのは度々変わるものなので、改めて“あてにならない”と感じた人もいたのではないでしょうか。より不確実性の高い未来がイメージされることになります。

第2波、第3波と言いながら、金融市場は比較的安定

そもそも第1波が金融市場の崩落(コロナショック)をもたらしたかのような印象を持つ人もいるのが事実ですが、思い返してみれば大きなきっかけは石油・ディールの交渉決裂でしたね。その後の金融市場は自動修復過程、とすら言えたかもしれません。

もともと第2波や第3波は経済に甚大な被害を及ぼすと言われていたにも関わらず、現時点で金融市場は特に目立った動きを見せてはいません。

また、一時期は株価の“二番底”について語る人が多かったのに対して、実際の株価の動きを目の当たりにして二番底論者は後退した気がします。

でもこれが果たして経済再開と同期していたか、というと必ずしもそうではありません。まだまだ予断を許さない状況であることは確かでしょう。

次なる感染の波が金融市場に与える悪影響

最も警戒すべきは、経済危機ではなく、金融危機に発展する可能性でしょう。もちろん、可能性として高いわけではありませんが、経済にストレスがかかっているにも関わらず、大量に資金が供給されていることで実質経営が支えられている企業も少なくありません。

仮に金融支援策にほころびが出るようなことがあれば、連鎖的に金融システムに負荷がかかり得ますし、より感染が拡大すれば金融システムの参加者自体が事業継続が困難になる例があるかもしれません。

また、資産価格が十分最悪シナリオを織り込んでいるか、と言われると、そもそも最悪のシナリオの全貌を誰も知り得ず、したがって、最悪シナリオが織り込まれたかどうかを判断する術もない、というのが現実です。

経済回復期待での投資はより長期目線を強いられる可能性

経済のV字回復を期待してこの時期に投資を開始された方もいらっしゃるかもしれませんが、経済回復期待が後ずれすれば自然と資産価格の戻りも鈍くはなります。もともとある程度長期目線で投資していたとしたら、より長期目線を求められることになります。

逆に短期目線で何かを期待していた人は相場へのエントリーのタイミングを見失い、また思ったリターンが得られずにポジションを手仕舞いすることになるかもしれません。

超金融緩和環境の継続

感染拡大に合わせた緊急経済対策として各国で実施された超金融緩和政策ですが、可能であればやはり多少は控えめにしたい、というのが政策当局者の本音だろうと思います。

ただし、現実に経済が元に戻っていない中で、金融政策を引っ込めるということは難しく、有無を言わせず超緩和状態を継続しなければならない、ということになります。

結果として、債券利回りは究極に低下して投資の魅力を失い、行き場を失った投資資金は株式市場や金、場合によっては不動産に向かうことが予想されています。

株式と債券の逆相関はさらに失われ、「バランスの良いポートフォリオ」を組むこともまた難しくなるかもしれません。過度なリスクテイクには繋がらないよう、十分気をつけながら投資活動が行う必要がありそうです。

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