リモートワークETFの誕生とネット関連株

リモートワーク関連銘柄のETFであるWFHが登場。

リモートワークETF、その名も[WFH]爆誕

この数ヶ月で一気に進んだリモートワーク。「Zoom疲れ」みたいな言葉も誕生するくらい、オンラインによる新しい行動様式を強いられてる今日この頃。

そんな中、リモートワークETFとでも言えるETFが昨日6月25日に登場した。ティッカーシンボルはWFH、Work From Home(在宅勤務)の頭文字をとったものだ。クライアントからもリモートワークで恩恵を受けるテック企業への投資への関心が向くのは自然なことだろう。そして私自身もテック企業のみならずテクノロジーそのものに関心があるので勉強がてらちょっと中身をのぞいてみよう。

ETFの目的

このETFを運用するDirexion社によると、WFHは4つの分野を中心とした株式に投資をするという。その4つの分野とは

  • クラウド
  • サイバーセキュリティ
  • オンラインのプロジェクト・マネジメントや書類管理
  • リモート・コミュニケーション

これらの4分野でリモートワークにおける恩恵を「すでにうけている会社」さらに「これからうけそうな会社」40社を選択、半年に一度のリバランスをするという。

トップ10銘柄

このETFの上位10銘柄をファクトシートから見てみる。全部で40銘柄あるうちの10銘柄だ。

Twillio

電話、ショートメッセージのオンライン化から始まった会社。アカウントの認証にショートメッセージに6桁の番号が届くことがあるが、あの仕組みはこのTwillioによって提供されている場合が多い。最近ではAIチャットボットやビデオストリーミングにもサービス拡大。

Inseego

もともとはアプリケーションの予期せぬダウンタイムをなくす技術を持っている会社だった。データのレプリケーションや冗長化というどちらかというと「裏方」を支える会社だった。現在はそれに加えてIOTや通信機器などに強みがある。

Crowdstrike Holdings

クラウドのセキュリティ管理。不正アクセス、情報漏えい、脆弱性などオンラインで起こる事故を予防する。またマルウェアの検出だけでなく、攻撃者を特定するという技術をもった会社。

Avaya Holdings

コミュニケーションのためのオンラインツールを提供する。1つのプラットフォームでバーチャルオフィスが完結する。またヘッドセットやビデオシステムなどのハードウェアも販売する。

Okta

オンライン・アプリケーションのための認証システムを提供。シングル・サインオン(一回のログインで複数のアプリケーションにログインが可能となる技術。たとえばGmailとSlack両方に一度のログインでログイン可能)の先駆け。

Box

エンタープライズ向け書類管理。Dropboxの企業版といったところ。

Elastic N.V.

“Elastic”とは「伸び縮みする」という意味。IT業界でこの言葉がよく出てくるのだが需要にあわせて計算リソースやデータ保存リソース(メモリやストレージ)を伸び縮みさせて供給するという意味で使われる。この会社は日々伸び縮みするデータ需要を収集、分析する。

Zoom Video Communications

言わずとしれたオンライン会議ツール、Zoomの運営会社。

Fortinet

ファイアウォールの会社。企業内のネットワークを外部の不正アクセスから守る。リモートワークでは社外から安全に社内ネットワークに接続する必要がある場合が増えることから、ファイアウォールの需要が見込まれる。

Ping Identity Holding

人工知能と機械学習を通じて、アプリケーションへのログインを安全なものにする。

手数料はやや割高、0.45%/年

アメリカだけでもETFは2,000も上場していて、このETFのように株式を選択する人の力量が問われるものが増えている。ETFの魅力は指数に連動したものを運用コストをかけずに安く買えることだが、それだけではマーケットのニーズをカバーすることができずにこのようなテーマ型ETFが乱立している状況だ。

半年に一度のリバランスなのでETFの中で頻繁な売買が行われることはないが、WFHの運用チームの「銘柄を選択する」ということにコストがかかっている以上仕方ないのかもしれない。

ネット関連株は新しいニフティ・フィフティ?

1970年代、ニフティ・フィフティという50銘柄群を指す言葉があった。コカ・コーラやIBM、フィリップ・モリスやJPモルガンなどアメリカを代表する優良会社の株式群の総称だ。

みんなこぞって優良銘柄を購入したので、後の世代からは「根拠なき熱狂によるバブルだった」とされる。実際にどんな高くても、どんなバリエーションでも購入されていたらしいのでバブルだったのだろう。1972年にもしコカ・コーラかマクドナルド(どちらもニフティ・フィフティ銘柄)を買っていればその後10年間はリターンがなかった。どちらも素晴らしい企業だが1974年には株価は半値となっていたのだ。

そして現在のニフティ・フィフティならぬニフティ・シックスはフェイスブック、アマゾン、グーグル(アルファベット)、ネットフリックス、アップルそしてマイクロソフトだろう。これらの株式はコロナ以降ますます上昇を続けており、そこはかとない「根拠なき熱狂」を感じる。

「リモートワーク」や「クラウド」という言葉のマジックで「儲かりそう」という雰囲気をかもしだしているからだろう。しかし、どんな優れたテック企業でもテクノロジーの開発そのものでおカネになることはなく、そのテクノロジーを買う人がいなければならない。そしてそのテクノロジーを買う人が無限におカネを持っていることはないので、結局はテック企業も世の景気に左右されるということは覚えておかねばならない。

QRコード https://amgwm.jp/2VjLUNj

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