それでもまだ今年の株式市場は底堅いと思う理由

もちろん株式市場はしゃっくりするので、10%前後の揺り戻しは覚悟しておく。

ここ3年のS&Pの動き。2020年3月の下落から一本調子で上昇している。

「高値圏が続いている」

この言葉が金融ニュースで取り上げられてからもう数ヶ月が経過する。この「高値圏が続いている」という言葉を枕とするなら、その後に連想されるのは「高値圏だからそろそろ下落する」「高値圏だから買うな」そういった言葉になるはずなのだがそこまで踏み込んだことを言うメディアは少ない。逆にもし「高値圏だけど買え」というメディアがあれば、それはもはや現在の水準を高値圏であるとはいわず「妥当な水準」とかいう言葉を枕とするだろう。

それに、高値圏かどうかは話者の主観がふんだんに入った極めて感覚的な言葉である。1987年のブラックマンデー直前のダウ平均は2,700前後で、その後2ヶ月で40%下落し1,800前後となった。そして現在30,000を超えて推移していることをみると、かつての2,700が高値圏であったかどうかは、1988年に投資の手仕舞いをしなければいけない投資家にとっては高値圏ではあったが、現在に至るまで持ち続けられる投資家にとっては圧倒的安値圏であった。

すなわち金融市場が「高値圏」かどうかなんて純粋客観的には判断はできず、高値圏は投資家のおかれた相対的な状況によることになる。持ち続けられる投資家にとっては安値圏で、持ち続けられない投資家にとっては高値圏だ。

とはいえ投資家の気持ちとしては1ドル、1ポイントでも安くマーケットに入りたいもの。想定投資期間が短ければ、なおのこと。次のマーケットクラッシュを待つために日々ネット情報を拾い続けるくらいなら、もう一気にリスクオンしてほったらかしにしたい。そんな相剋に悩む投資家も多いのではなかろうか。

米国では2023年より前には利上げはされないのと、このコロナ禍における巨額の財政投資もあいまって、10%前後のセットバック(最高値からの下落)を繰り返しながらほとんど一本調子できている。ニュースでは繰り返し悲観的な報道がなされていることから、「もうそろそろ大きく下落してもおかしくないだろう」という直感を持たれる方も多いようだ。私たちアドバイザーは天の邪鬼なので(人と違った天の邪鬼な見方ができないと高値買い・安値売りをしてしまうゆえ)、高値圏だと繰り返し報道されているにもかかわらずここからさらに株高が今しばらく続きそうだという数字に基づく根拠を示しておきたい。

なお、これらはあくまで米株である。米株式市場の調子がいいと世界の株式市場の調子もいい。逆はあり得ない。

2021年の米GDPコンセンサスは4.2%

アメリカの経済成長についての予測はいくつも出ている。下は2.5%から上は6.5%まで。それら予測の中央値をとると、3.8%のプラス成長となっている。モルンガンスタンレーやゴールドマン・サックスでは、アメリカの成長は5%-6%と強気な見方をしており、ポジショントークを抜きにしてもアメリカ経済に対する期待は大きいようだ。

EPSは2021年度中も上昇する

一株あたりの利益(EPS, Earnings Per Share)は、これからしばらくは伸び続けることが予想されている。S&Pの予想によると、EPSはコロナ前よりもさらに上昇する見込みだ。ちなみにS&P500のなかでは2020年、フェイスブック、アマゾン、アップル、マイクロソフト、アルファベットの時価総額トップ5社がほとんど牽引しこれら5社のリターンは平均して56%であったものの残り495社のリターンはわずかに11%であった。

しかしテック系の会社はコロナによって好景気に沸いたのでかなり高いPERがついてしまったが、今年も引き続き巨額の利益を稼ぐこともあって引き続きEPSが上昇することも考えられる。

債券市場が安定している

これは直接というより間接的な要因だが、これだけ財政出動が行わているのにもかかわらず米10年国債の価格は3月から安定しており、急激なインフレが来るとか米国の信用が失われるといった予兆はない。これだけ金利が低いままでカネ余りとなると、向かう先はやはり株式市場ということになる。

ただし、株式市場はしゃっくりする

昨年2020年の株価をみても、最高値から10%前後の下落は2度あった。この「しゃっくり」という表現であるがピッタリだなぁと思う。風邪をひいて寝込むわけではない。むしろ健康なマーケットだからこそしゃっくりする。

株式市場は一本調子で右肩上がりになることはないので、もし下落したところをどうしても狙うのであればこの「しゃっくり」を待つと良いかもしれない。

QRコード https://amgwm.jp/3oSwXyQ

ニュースレター登録のご案内

       

ブログのダイジェストをメールでお届けします。週一回(土曜日)配信。

- 資産運用 - の最新記事