投資の意思決定は自分でするのか、アドバイザーに任せるのか、それともその間か

投資は自己責任というが、投資の意思決定は自分なのか他人なのか。IFAとお客様の関わり方の3パターンを通して考え方を整理する。自分だけの顧問アドバイザーを見つけることが投資経験とともに重要になっている

銘柄選択の意思決定主体

今回は「投資銘柄の意思決定主体」について書いてみたいと思います。

アドバイザーとしてお客様と話すなかで、どのような運用方針にするかを決めることはもちろん大事なのですが、同時に決めなければならない、もう一つのことがあります。それは、何かというと、

「銘柄選択におけるアドバイザーのお客様との関わり方」

です。

少し漠然とした言い方になってしまったので具体的に申し上げると、資産運用には二段階の決定局面があります。

  1. 投資するかどうか決める
  2. 何に投資をするか、銘柄を決める

です。1. 総論として投資をするかどうかをまず決めて、2. 各論としてどのような投資方針、銘柄選択をするかを決める、というイメージでしょうか。1. の段階で弊社が関われることは限られておりますが、2. の段階ではお客様はアドバイザーに3つのタイプの関わり方がございます。

  • ① 全部お客様が決める – 銘柄の意思決定は自分でできる、だからアドバイザーはそれだけ売ってくれれば良い
  • ② アドバイザーと相談して決める – 銘柄の意思決定は自分でやりたい、だがアドバイザーに相談には乗って欲しい
  • ③ 全部アドバイザーが決める – 銘柄の意思決定は自分では難しいと思う、だからアドバイザーに任せたい

どのパターンも私にとってはお客様であることに変わりはありませんが、実は①か③、つまり「自分でやるか、他人に任せるか」の2択に収まるケースがこれまでは多かったです。

お客様との関わり方が二極化してきた理由

投資は自己責任、とはよく言いますが、一方で投資一任というやり方もあります。お客様との関わり方が①と③に二極化した理由を挙げてみます。

アドバイザーが意思決定したことの責任は取れない

これは①のお客様です。私のところにいらっしゃるお客様の中には、問い合わせの段階で既に購入するものと購入する意思が決まっている方がいらっしゃいます。

例えば、台湾で飲食店を営むAさんは簡単な自己紹介とともに、「ブログで書いてあった○○はいいと思ったから、買いたい」と問い合わせがありました。ブログの内容は弊社としての買い推奨でも何でもありませんでしたが、ブログをきっかけとしてご自身で色々調べられた結果、銘柄決定をされたようです。もちろん弊社としては何ら構いませんが、他にも提案しようとしても、「他のことは何もしなくていいし、何のアドバイスもいらないからとにかく売ってくれ」とおっしゃいます。どうやら「投資は自己責任」ということを強く意識されているようでした。

本業が忙しくて投資のことまで考えられない

これは③のお客様です。私のところにご相談にいらっしゃるお客様は、既に資産家でいらっしゃいますが、同時にご自身でバリバリ事業をされている方が中心です。

例えば、香港で商社を営むBさんは、余剰資金は基本的に運用に回すべきだというお考えでした。ただ、気づいたらお金は貯まっていて、運用には回っていません。たまに、証券会社の営業がやってきて、「良い投資がありますよ」と言われ、お酒を飲みながら盛り上がったので、言われるがまま投資をしたものの、どうもお金が増えている気がしません。そんな話をご友人に漏らしたところ、「少し見てもらった方がいいんじゃない」とアドバイスされ、弊社までいらっしゃいました。そんな経験をお持ちなので、また誰かに任せるということを躊躇うものの、やはり本業との兼ね合いから、誰かに託すしかない、とご決心されたようです。

IFAの存在意義は金融商品の販売そのものからアドバイスの質へシフトしつつある

①「全部自分で決める」の例は、金融商品をバリバリ売っていた数年前は良かったかもしれませんが、私はIFA、つまり独立系ファイナンシャルアドバイザーですから、アドバイスすること、より良いアドバイスができることに価値がシフトしてきています。実際、③「全部アドバイザーが決める」の例は、いわゆる「投資一任」に該当しますので、弊社にもそのニーズでいらっしゃる方は多いです。②「アドバイザーと相談しつつ決める」はそもそもそういうことができると思っていない人が多いですが、話してみると意外と悩まれるご様子です。

実際、貯蓄好きと言われる日本人も、「貯蓄から投資へ」という世の中の流れもあってか、投資のイロハを学びつつ、IFAという専門家を上手く活用して資産を伸ばしていきたいと考える人が増え、利用者側の意識も変わっていっています。

そこでは、ワンオフのアドバイスは受けられないのか、と考える方もいらっしゃいます。

その答えは「全くもって可能」です。ただ、お客様の情報をほとんど知らない業者に、「何がオススメですか?」「今何が人気ですか?」と聞いたとしても、売りたい商品を勧める、あるいは無難な答えをする、が相場だと思います。特に金融のアドバイスはお客様に損失を発生し得ますので、責任を負わない方向に走る金融業者は後を絶ちません。そこで、自分をよく知る”顧問アドバイザー”を持つことが非常に重要になってきます。

自分をよく知る顧問アドバイザーを抱える意味

私たちが預かっているお客様のデータは、お医者さんでいうカルテに近いです。私たちは、お客様から相談があったらまずは取引履歴や契約時のインタビューの状況を振り返ります。そして、それを踏まえてお客様から現状のアップデートを受けます。もちろん長い付き合いのお客様がいれば、そういった情報は頭の中にインプットされていることになります。

また、資産家の方々には色んな儲け話や投資話が持ち込まれるようです。これも「あなただけ、今だけの儲け話」と耳元で囁かれると、誰にも話さずに決めてしまう人が多いのですが、もし身内以外に相談したければ顧問アドバイザーに話を振ってもらって構いません。香港ならではの情報網の中に私たちはいるので何か有益なアドバイスを渡せるかもしれません。医療にセカンドオピニオンがあるように、投資にもセカンドオピニオン、というわけですね。

アドバイスといっても形だけじゃないの?という疑問

もちろんアナログな方法でアドバイスを提供することは可能ですが、デジタルな世の中になってきていますので、弊社で契約した場合にはアドバイザーとお客様はインターネット上の共通のプラットフォームを利用してインタラクティブに取引の意思決定をすることも可能です。

もしお持ちの債券が償還されて口座で資金が浮いていたとしましょう、リクエストをいただければ、推奨銘柄をプラットフォーム上でお伝えし、そしてそれにお客様自身がご納得いただければ、そのままお客様の意思で取引が瞬時に執行することも可能です。納得できなければ執行しないという選択ももちろんできます。

本業で忙しく、連絡が取れないタイミングがある方は、投資一任いただくことが多いのですが、その場合でも、取引の履歴は全てお渡しできますし、必要なタイミングで運用口座の状況を見ることができます。この作業はお客様自身でもできますし、リクエストを出してもらっても構いません。また、本業が落ち着かれたタイミングでご連絡いただければ面談をセッティングすることもできます。

ご自身と相性の良い顧問アドバイザーが見つかることを願って

IFAが医者に似ているなと思っていただけたなら、色んな”クリニック=業者”を回ることをオススメします。金融業者の場合は医者と違って物理的に近くにいる必要が必ずしもないので、お客様から見れば業者の選択肢が多くなってしまう可能性がありますが、ご自身にパチっとハマるところがあればそこに落ち着けば良いのではないでしょうか。相性の良い顧問アドバイザーが見つかれば投資一任にシフトするということだってできるでしょう。ご自身の投資経験ともに、しっかりした資産とその履歴が残っていく、それが年齢を経るにつれて宝になっていくことを願っています。

関連ブログ:IFAは法人(中小企業)にとって資産運用での良きパートナーになり得るか

QRコード https://amgwm.jp/35jCjtl

ニュースレター登録のご案内

       

ブログのダイジェストをメールでお届けします。週一回(土曜日)配信。

- IFA - の最新記事