クリスマスボランティアとESG投資による社会貢献
CSR活動の一環として会社の主催するボランティア活動に参加し、障害者施設を訪ねた。その体験から、最近世界で広がっているESG投資へ想いをはせて。
先日、会社が主催したボランティア活動に参加し、同僚20人弱と共に知的障害のある子どもたちの施設を訪ねる機会がありましたので、そのときに考えたことを紹介します。
香港企業の社会活動
当社もそうですが、香港では様々な企業のホームページや名刺に「caring company」というロゴが記載されています。これは、The Hong Kong Council of Social Service(HKCSS)という香港のNGOを束ねる機関により、CSR(企業の社会的責任)活動を積極的に行っている会社に与えられる賞で、当社もこの10年以上毎年受賞しています。HKCSSによると、2014/2015年には2960社がこのcaring companyを受賞をしたとのことなので、かなりメジャーな取り組みと言えるでしょう。HKCSSは名誉パトロンを香港行政長官のキャリー・ラムが務め、HSBC、 キャセイパシフィック航空、タウンガスなど、地元の大手企業からの寄付によって運営されています。各社の取り組みはさまざなですが、当社では知的障害者の支援活動をしているHong Ci Associationと協力し、年に数回の活動を行っています。
障害者施設でのクリスマスパーティ
先日の活動は、軽度の知的障害を抱え施設内で共同生活をしている10歳前後の子どもたち約20人のために、クリスマスを祝うバーベキューパーティを開くというものでした。子どもたちはとてもフレンドリーでかわいらしく、私たちが施設前の庭で肉などを焼いて彼らを迎えると、どの子も嬉しそうに寄ってきて、私たちをぎゅっと抱きしめてくれました。バーベキューの後は庭でカラオケ大会となり、みんなでクリスマスソングや香港の1990~2000年代のヒット曲を熱唱し(日本の歌の広東語バージョンも2曲、ドラえもんと、なぜか懐かしの大事MANブラザーズでした 笑)、とても楽しい時間を過ごしました。知的障害があるといっても、普通に会話ができ、広東語だけでなく、英語を話す子も多かったです。ひとりだけ広東語が離せない私は、子どもたちから名前を聞かれてもそばにいる誰かに助けてもらわないと答えられず、子どもたちよりもよっぽど世話が必要な存在だったと思います・・・。中でもひとり、日本語が少し話せる女の子がいて、「ワタシハ シンディデス」と話しかけてくれました。日本のアニメから日本語を覚えたそうです。シンディちゃんは「将来マッサージ師の資格を取って働きたい。働いて両親のためにお金を稼ぎたい。」と、英語と広東語も交えて、私に話してくれました。普段は、富裕層のお客様に資産運用のアドバイスをする仕事ですが、彼らのように経済的に恵まれていない子どもたちと過ごす時間からとても多くを学びました。
広がるESG投資について考える
近年、企業の環境対策(Environment)や社会問題への取り組み(Social)、企業統治の優劣(Governance)を重視して投資先を選ぶ「ESG投資」という言葉が知られるようになってきました。先週の日曜17日には、NHKスペシャルで「激変する世界ビジネス “脱炭素革命”の衝撃」と題して、世界の投資家が再生可能エネルギーの利用を大きなビジネスチャンスとみて脱炭素に積極手な企業に投資し、逆に多くの日本企業など脱炭素に遅れている企業からマネーを引き上げようとしている現実を特集していました。このように投資家たちの間には投資先に利益のみでなく、社会的価値を求める動きが高まっています。もちろん、それは単なるチャリティーではなく、企業の社会貢献や誠実さが将来の市場や利益を生むと考えているからです。われわれ、IFA(独立系ファインシャルアドバイザー)としても、このような取り組みには積極的に参加するべきだと思います。現在行っているようなボランティア活動も大切ですが、より本来の事業と連携した形で社会貢献ができれば、コミュニティにとってもビジネスにとっても有益になるはずです。将来は、香港でファイナンシャルアドバイザーをしている立場から、日本の子どもたちを対象としたなんらかのボランティア活動をできたらいいなと考えています。
ではみなさま、よいクリスマスをお過ごしください!Merry Christmas!